
仕事でミスをして上司に叱られたり、取引先に無理なお願いをされたり…。帰宅しても気持ちが晴れず、なんとなくスマホを見ながらだらだら夜を過ごしてしまう。
そんな毎日を繰り返していると、「何のために働いてるんだろう」と気分が落ち込んでしまいますよね。
そんなとき、何気なく鼻歌を歌ったり、昔買ったギターを触ってみたりしたら、不思議と気持ちが軽くなる。これは偶然ではありません。音を出すこと、歌うことには、脳科学的にも心理学的にも「ストレスを発散させる力」があるんです。
社会人になってから新しい趣味を始めるのは勇気がいりますが、音楽は大人だからこそ楽しめる趣味。今日は「歌や楽器がなぜストレス発散になるのか」「初心者でも楽しめる始め方」「続けるためのコツ」まで、じっくり深掘りしてお届けします。
なぜ楽器や歌がストレス発散につながるのか?
呼吸が整い、自律神経が安定する
歌うときには自然と腹式呼吸が使われます。深い呼吸は自律神経を整え、副交感神経を優位にしてくれるので、リラックス効果が高まります。これはヨガや瞑想と同じ仕組み。
実際に、歌うことは「呼吸トレーニング」として医療現場でも取り入れられているほどです。
楽器でも、リズムに合わせて体を動かすことで呼吸が一定になり、心拍数が安定。特にドラムや打楽器は運動効果もあり、まるで有酸素運動をしているかのような爽快感が得られます。
感情の出口になる
私たちは日常で「怒り」「悲しみ」「不安」といった感情を我慢してしまいがちです。しかし、押し込めた感情はストレスとして心身に積み重なり、不眠や胃痛などの不調を引き起こします。
歌ったり、楽器を鳴らしたりすることは、感情を「音」という形で外に出す行為。嬉しいときは明るい曲を、落ち込んだときは切ないメロディを。音は感情を正直に表現してくれるから、心のデトックスになるんです。
脳内ホルモンが分泌される
歌や楽器の演奏をすると、脳内では「エンドルフィン」「セロトニン」といった幸せホルモンが分泌されます。これはランニング後の「ランナーズハイ」と同じ状態。
さらに、達成感を味わうことで「ドーパミン」も出て、前向きな気持ちを取り戻すことができます。
初心者でも楽しめる楽器と歌の始め方
楽器編:気軽にチャレンジできるものから
「楽器=難しい」というイメージがありますが、ストレス発散が目的なら完璧を目指す必要はありません。とにかく音を鳴らす楽しさを感じることが大事です。
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ウクレレ:小さくて軽く、コードも簡単。数日で簡単な曲が弾けます。
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カホン:四角い木の箱を叩く打楽器。リズムに合わせて叩くだけで爽快感MAX。
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電子キーボード:ヘッドホンを使えば夜でも演奏可能。初心者向けのアプリも豊富。
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アコースティックギター:弾き語りに挑戦すれば「歌+楽器」で二重のストレス発散効果。
特にウクレレやカホンは「鳴らすだけで楽しい」タイプなので、楽譜が読めなくても大丈夫です。
歌編:どこでもできるストレス解消法
歌は、楽器よりもさらにハードルが低い趣味です。
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お風呂で歌う:響きやすい空間なので気持ちよく声が出せます。
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カラオケに行く:大声で歌えば汗もかけて一石二鳥。
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好きな曲を口ずさむ:仕事の帰り道や車の中で、鼻歌を歌うだけでも十分効果あり。
「音痴だから恥ずかしい…」と思う必要はありません。上手く歌うことよりも、声を出すことで心が軽くなることが目的だからです。
続けるためのコツと習慣化のヒント
完璧を求めない
「うまく弾けない」「声が裏返った」なんて当たり前。むしろ失敗するほど「自分だけの音楽」が出来上がります。完璧主義を手放すことが、長く続ける秘訣です。
生活に組み込む
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朝の10分だけギターを触る
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仕事帰りに週1でカラオケに寄る
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土日は30分だけウクレレ練習
短い時間でOK。「毎日やる」ではなく「ちょっとやる」で続けやすくなります。
仲間を見つける
SNSやYouTubeで演奏をシェアすると、「いいね」やコメントが励みになります。最近はオンラインでセッションできるアプリもあるので、家にいながらバンド気分を味わうこともできます。
ストレス再発を防ぐ「心の逃げ場」としての音楽
ストレスをゼロにするのは不可能。でも「逃げ場」を持っている人は、ストレスとうまく付き合える人です。
仕事で疲れたときに「今日はカホンを叩いてスッキリしよう」と思えるだけで、気持ちは軽くなります。歌えば泣けて、泣いたら少し楽になることもある。
音楽は「心のセーフティネット」。あなたが社会人として長く走り続けるための、最高の相棒になってくれます。
音を楽しむことが、最高のストレス発散
楽器や歌は、特別な才能がなくても誰でも楽しめる趣味です。
呼吸を整え、感情を外に出し、脳を活性化させてくれる。まさに「自然なストレス解消薬」と言えるでしょう。
まずは、楽器を触ってみる、好きな歌を口ずさむ。それだけでOKです。
小さな一歩が、あなたの生活をもっと心地よく、もっと軽やかにしてくれるはず。